金峰山 ~盛夏の奥秩父の盟主へ~

登山ブログ
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梅雨が明けたにもかかわらず天気が安定しません。

戻り梅雨が長引いていて、夏山シーズンを存分に楽しめていない状態が続いています。
8月に入ったら安定した天気が続くと良いのですけどね。。。

そんな中、天気が安定しそうな予報が!!
この絶好機を逃してはならぬと、夏山シーズンに相応しいお山を探しました。

気温が高い時期なので標高は2,000m以上。できれば2,500mを越えたい。
しっかりと山歩きをしたいので、標高差は800m以上、行動時間も10時間ぐらいが良いかな。
できれば近場で。

こんな条件に当てはまるお山は・・・

金峰山!!

標高は約2,600m。
瑞牆山荘から砂払ノ頭経由で山頂を目指せば、標高差は約1,100mで約10時間ほどの道のり。
うんうん、条件にピッタリ!!

ということで、奥秩父の盟主に会いに行ってきましたよ!!

金峰山の基本情報

金峰山(きんぷさん/きんぽうざん)は、山梨県甲府市と長野県南佐久郡川上村の境界にある標高2,599 mのお山です。別名は甲州御岳山。

山名の呼び名は2通りあり、山梨県側では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうさん」と呼ぶそうです。

山頂には五丈岩があり、金峰山信仰の本宮とされています。

登山コースは東西南北にいくつかありますが、山梨市牧丘町と長野県川上村の境にある大弛峠から入ると片道約150分で山頂に行けます。お手軽コースですね。
また、今回歩いた瑞牆山荘から砂払ノ頭経由も人気のあるコースですが、コースタイムも長く、標高差も大きいので、日帰りする際はしっかりとした計画が必要です。

山頂から北側斜面を20分ほど下れば金峰山小屋があります。

登山口へのアクセス方法、駐車場、トイレ

瑞牆山荘周辺には24時間入出庫可能な無料駐車場があります。
また、瑞牆山荘の横には24時間利用可能なチップ制トイレ(1回100円)もあります。

瑞牆山荘まで韮崎駅から路線バスが運行されているので公共交通機関を利用したアクセスも可能ですが、運行本数には注意が必要です。

瑞牆山荘まで路線バスが運行されていますが本数に注意

瑞牆山荘にある無料駐車場。
約100台の駐車が可能ですが週末は早朝で満車になります。

ルート上の山小屋、トイレ

瑞牆山荘から山頂へ至るルート上には、「富士見平小屋」と「金峰山小屋」があります。
※金峰山小屋は山頂から20分ほど下った場所にある。

各山小屋では、飲食物の購入、トイレ、物品購入が可能です。

大日岩の手前には「大日小屋」がありますが、無人小屋のため物品購入等はできません。
※素泊まりやテント泊は可能。小屋近くに水場あり。

金峰山に行ってきました!!

山のぼりした日

2022年 7月24日(日)

コースタイム

瑞牆山荘(06:17)・・・富士見平小屋(07:03)・・・大日小屋(08:13)・・・砂払ノ頭(09:55)・・・金峰山(11:05)・・・砂払ノ頭(13:06)・・・大日小屋(14:57)・・・富士見平小屋(15:54)・・・瑞牆山荘(16:55)

GPSトラッキング

合計距離: 11.53 km
最高点の標高: 2594 m
最低点の標高: 1544 m
累積標高(上り): 1267 m
累積標高(下り): -1268 m
総所要時間: 10:37:58

山のぼり開始

富士見平へ向けて

まずは富士見平へ向けて歩いていきます。
瑞牆山荘の駐車場からは50分ほどでしょうか。樹林帯の中を緩やかに登って行きます。

途中で林道に出合います。林道を渡った先に登山道が続いています。
指導標が建てられているので問題ナシですね。

登山道には赤テープも多く設置されています。
富士見平までの道は踏み跡多数で「どこの道が正解?」となる場面があるかと思いますが、そんな時は周囲の赤テープを辿ってください。

林道を過ぎて樹林帯の道を登り詰めていくと、瑞牆山を望める展望地に出合います。
この日はガスが多かったですが、これはこれで雰囲気があって良いですね。

2回目の林道に出合います。
この指導標から富士見平までは10分ほどです。

樹林帯の先に富士見平小屋が見えてきました。

富士見平に到着です。
ここで、瑞牆山方面と金峰山方面に分岐します。

富士見平小屋です。
夏の時期はかき氷が食べられますので、下山時に立ち寄ってクールダウンするのも良いと思います。

小屋前のテント場です。この日も多くのテントが張られていました。
ここを拠点とすれば、瑞牆山と金峰山の2座に登れるのでコスパ最強なテント場です。

小屋横にはチップ制トイレがあります。

大日岩に出合う

富士見平で小休憩をし、次の目的地である大日小屋を目指します。
序盤は急登ですが、その後は水平移動や下り基調な道を経て大日小屋へ至ります。
下山時は登り返すことになるんです。。。

指導標が大きく傾いていますが、ここまでの急登ではありません。

富士見平からの道も明瞭で歩きやすいですよ。

苔むした道。
こんな道に出合うとアノ言葉を言いたくなります。
「ジブリ感すごっ!」

太陽が高くなり樹林帯の中まで日差しが届いてきました。
暑くなる前に標高を稼ぎたいところです。

富士見平から60分ほどで大日小屋に着きました。
この小屋は無人小屋なので飲食物の購入はできません。

次は大日岩を目指します。
ここからはグイっと標高を上げますよ!!

大日小屋を過ぎて間もなくクサリがあります。
登りの難易度は低く左側に多くのステップがあるのでクサリを使わずに登れます。

岩が露出した道が続きます。
段差の大きな場所が多いので転倒に注意が必要です。

2本目のクサリ。
ここもステップが多いので3点支持で登っていきましょう。
心配な方は補助的にクサリを使っていきましょう。

クサリを登り切って振り返ると、南アルプスがチラッと望めました。
ガスが晴れると良いのですけどね。

大日岩の下に着きました。
下から見上げるととても大きな岩で圧倒されます。

大日岩の分岐点です。
ここから山頂までは2時間ほどになります。

近くで見るとその大きさが分かります。
まさに巨岩!!

樹林帯の中を黙々と

大日岩を過ぎ、樹林帯の中を標高を上げながら進んでいきます。
山頂までの行程の半分を過ぎたぐらいでしょうか。

木の根や岩が露出している道が続くため、とても滑りやすいです。
慌てずゆっくりと。

指導標も適度に設置されています。
また、1本道なので道迷いの心配は少ないと思います。

おっ、シャクナゲが咲いていますね。
この時期なので最終盤を迎えている感じです。

日差しが強くなってきました。
樹林帯の中は風が抜けないので暑さを感じます。
富士見平から山頂までは長い道となるので、この時期は十分な水分を携帯してください。

標高を上げるにつれて、元気いっぱいにシャクナゲが咲いていました。
この辺りは7月下旬でも残っているんですね。

樹林帯の中を進むこと約60分。砂払ノ頭に着きました。
ここの標高は約2,300mなので、山頂との標高差は約300mあります。
ここから先は展望の効く稜線歩きになります。

南アルプスはすっかり雲の中といった感じですね。
残念ながら、きれいに望むことはできませんでした。

北東方面です。
秩父山地を望みますが、こちらも雲が多くスッキリとはいきませんね。

爽快なる稜線歩き

砂払ノ頭から少し進んで振り返ります。良い稜線ですね。
ガスの中に瑞牆山があるのですが、その姿を見ることはできません。

中央奥に尖った岩が金峰山の山頂にある五丈岩です。
その手前のピークは千代ノ吹上です。
いくつもの小ピークをやり過ごしながら山頂へと至ります。

途中クサリが数か所ありました。
どれも難易度は低く、登りでは使わなくても問題ありません。

小ピークをいくつかやり過ごすため、アップダウンが連続するので足にきますね。
大きな岩がゴロゴロの道なので躓かないように。

五丈岩が大きく見えてきました。
もう少しで千代ノ吹上です。

この辺りまで登ってくると、北側斜面に金峰山小屋を望むことができます。
千代ノ吹上の手前で小屋へ至る道との分岐点があります。

五丈岩がガスに飲まれてしまいました。
さっきまできれいに望めていたんですけどね。。。

っと思っていたら、スッキリと晴れました!!
スカッと晴天の中を歩くのも良いですけど、ガスの流れがある方が歩いていて変化があって楽しいです。

金峰山の山頂付近に着きました。
ここは4方向の道が交差しています。今回は指導標の左側に示されている「大日岩・瑞牆山」方面から歩いてきました。

その大きさに圧倒され

山頂にある五丈岩です。
写真では伝わり辛いかもしれませんが、めちゃくちゃ巨大です。

五丈岩から大弛峠方面に進むと山頂となります。
標高は2,599mです。あと1m・・・

山頂の柱標の脇には三角点があります。
ここは三等三角点になります。

山頂は広いですね。
この日は多くの人が山頂を訪れていましたよ。

長い下山路

山頂で昼食を食べ十分な休憩を取ったので、そろそろ下山します。
富士見平までは長い道のりなので気を引き締めて。

砂払ノ頭に向かっている途中、やっと瑞牆山の姿を見ることができました!!
いつ見ても見事な岩峰ですね。カッコイイです。

稜線歩きもここまで。砂払ノ頭まで下りてきました。
ここからは樹林帯の中を下りていきます。

景色の変化に乏しいので精神的にツライですね。。。
刺激が欲しい・・・

クサリという刺激が登場!!
たまに訪れるこの刺激がサイコーでした。
油断していると10mほど滑り落ちるので慎重に。

ふーっ!!
やっと大日小屋に着きました。疲れました。

大日小屋を過ぎると、だらーっとした登り返しが続きます。
勾配は緩やかなんですけど、ここまでの道のりで足に溜まった疲れにはバッチリ効きますね。。。ツライ・・・

富士見平までの最後は急な下りが続きます。
転がらないように。慎重に。

富士見平小屋まで下りてきました。
「かき氷の時間だー!!」っと思ったら、まさかの「準備中」・・・
この日は16時で終了だったみたいです。もう少し早く歩けばよかった。。。

金峰山を歩いてみて

瑞牆山荘からのアプローチは、標高差1,100mを超えて、コースタイムも約10時間ほどと長い道のりになりますが、その分、山頂に着いた時の達成感は格別です。

山頂付近にも小屋があるので、軽食や水分補給ができるのも安心材料ですね。
いざという時に助かります。

砂払ノ頭までは樹林帯が続くので夏に歩く際は暑さに注意が必要です。
なるべく早出をして気温が上がる前に抜けたいですね。
この日は2.5Lの水分の消費しました。

大弛峠からアプローチすれば、2時間ほどで山頂に立てるので初心者の方でも問題ないと思います。いろいろなコースがあるのも魅力ですね。

次は新緑の時期かな。いや、紅葉の時期が先か。