東篭ノ登山 ~梅雨の中休みに得る大展望~

登山ブログ
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梅雨空が続いていますね。。。

関東地方は6月6日に梅雨入りし、それ以降、スカッと晴れる日は少なくなりました。
まぁ、梅雨の時期なので仕方ないですね。

こんな時は、山地図を眺めながらの「登山シミュレーション」が捗ります。
梅雨明け後の夏山シーズンは、どのお山に登ろうか?

そんな時、チラッと天気予報を眺めてみると週末に好天の予報が!!
急遽、歩くお山を探して、装備を整えて、登山計画を作って、、、

行ってきました!東篭ノ登山に!!

登山口から短時間で山頂に到着でき、山頂からは大展望が!!
コスパ最高のお山ですよ!!

東篭ノ登山の基本情報

東篭ノ登山(ひがしかごのとやま)は群馬県と長野県の県境にある標高2,227mのお山で、上信越高原国立公園内に位置しています。

東には車坂峠や高峰高原、浅間山があります。

南には池ノ平湿原があり、そこに隣接する兎平登山口から山頂までは約50分。そこから水ノ塔山や西篭ノ登山までは約40分です。

兎平登山口から山頂を目指すコースが多くの人に歩かれています。

登山口へのアクセス方法、駐車場、トイレ

兎平登山口には駐車場があるのでマイカーでのアクセスが便利です。
駐車料金は1日600円で、利用できる時間は7:00から16:00まで。
また駐車場にはトイレがあります。

兎平登山口に至るバスは運行されていません。
公共交通機関を利用する場合は、地蔵峠(湯の丸スキー場)までバスでアクセスし、池ノ平湿原まで歩くことになります。
※バスの運行本数は少ないので注意。

池ノ平湿原に設けられた駐車場。
地蔵峠と高峰を結ぶ林道の通行可能時間に合わせて、駐車場にも利用可能時間が設定されています。なので24時間開放されている駐車場ではありません。

駐車場内にあるトイレ。

ルート上の山小屋、トイレ

兎平登山口から山頂へ至るルート上には山小屋や水場はありません。
トイレは登山口で済ませて、行動中に必要な水分や食料を携行してください。

兎平登山口から山頂へ至るルート上に山小屋やトイレはありません

東篭ノ登山に行ってきました!!

山のぼりした日

2022年 6月19日(日)

コースタイム

地蔵峠(07:39)・・・見晴岳登山口(07:55)・・・見晴岳(08:52)・・・三方ヶ峰(09:21)・・・池ノ平湿原(09:49)・・・池ノ平湿原駐車場(10:02)・・・東篭ノ登山(10:43)・・・池ノ平湿原駐車場(12:40)・・・池ノ平登山口(13:33)・・・地蔵峠(13:45)

GPSトラッキング

合計距離: 9.5 km
最高点の標高: 2224 m
最低点の標高: 1732 m
総所要時間: 06:06:00

山のぼり開始

地蔵峠から周回の旅へ

今回の山のぼりは、地蔵峠から見晴岳⇒三方ヶ峰⇒池ノ平湿原⇒東篭ノ登山⇒地蔵峠と歩く周回コースです。
スタートの地蔵峠には大きな駐車場とトイレがあります。

地蔵峠の駐車場は早朝からたくさんの車で埋まっていました。
大半の方は湯ノ丸山や烏帽子岳を目指していました。

「湯ノ丸高原ビジターセンター」の脇にある林道を歩いて、見晴岳の登山口を目指します。

林道沿いには、たくさんのレンゲツツジが咲いていました。
この辺りではちょうど見頃でした。

林道を緩やかに登っていきます。
両脇はカラマツですね。

途中で湯ノ丸スキー場のゲレンデを横切ります。
ウィンターシーズンは毎年訪れているスキー場なので見慣れている景色のはずですが、雪の無い時期だと雰囲気が変わりますね。
正面右のなだらかなピークは湯ノ丸山、その左奥は烏帽子岳。

スキー場を横切った後、しばらくすると見晴岳へ至る登山口に出合いました。

本日の1座目、見晴岳へ

指導標には「見晴岳」とは示されていませんね。。。
見晴岳は三方ヶ峰の手前にあるお山なので、三方ヶ峰方面に進みます。

カラマツ林の中を歩いていきます。
この道はカラマツの落葉で足元はフカフカです。
見晴岳へは1本道で、かつ、赤テープも多いので道迷いのリスクは少ないと思いますが、必ず地図は携行してください。

登山道にもレンゲツツジが多く咲いていました。
少し標高が上がっているせいなのか、地蔵峠周辺と比べると蕾が多かったです。

これはイワカガミですね。
春から初夏にかけて咲く常緑の多年草です。高山植物と分類されていますが低山帯から高山帯まで幅広く分布しているお花です。

クマ笹が茂っていますが登山道は明瞭なので問題ありません。
またこの地帯はクマの目撃が多いので、とくに早朝の時間帯に歩く場合は熊鈴やラジオなどの対策が必要です。

これはツマトリソウですね。
6月から7月に咲く初夏のお花で花弁は7枚。亜高山の草地に咲いています。

見晴岳への登山道は苔生した道です。
北八ヶ岳のような深い緑の道が続きます。俗に言う「ジブリ感」ってやつですね。

カラマツ林の中にも日差しが届きはじめました。
今日は好天に恵まれそうです。

樹林帯の中の道ですが明るく歩きやすいですよ。
地蔵峠から歩く人は少ないのか、見晴岳までは誰にも会いませんでした。
静かな山歩きを楽しみたい時はオススメの道です。

これはタチツボスミレですかね。
春のお花(4月から5月)なので、6月中旬の時期に出会えるとは思っていませんでした。
ここは亜高山帯なので花期がズレているのでしょうか。

このお花はシロバナノヘビイチゴですね。
丸い花弁を5枚持つこの時期に咲く高山帯のお花です。花が終わると小さな実をつけます。その実は確か食用だったような。

見晴岳へと続く道は緩やかな勾配なので、とても歩きやすいです。
整備も行き届いています。ありがたいですね。

おっ!!視界が開ける予感。見晴岳の山頂かな!?

展望の良い場所に出ました。
ここは見晴岳の山頂ではなく、その手前に位置している場所です。
西側を向くと湯ノ丸山と烏帽子岳がきれいに望めます。

南西側です。
上田市街が広がり、奥には美ヶ原高原などが望めます。
その向こうにある北アルプスは見えませんね。。。残念。。。

展望の良い場所から1分ほど歩くと見晴岳の山頂に着きます。
見晴岳の標高は2,095m。地蔵峠との標高差は約300mでした。

見晴岳の山頂は広いです。
休憩しやすい岩がたくさんあるので、ここを目的地としても良いかもしれません。
お手軽に登れますし。

目の前には八ヶ岳が望めます。
この日はガスが多く霞んでいたので、きれいには望めませんでした。

見晴岳からの展望を楽しんだ後は、本日2座目となる三方ヶ峰へと向かいます。

2座目は三方ヶ峰!!

見晴岳から三方ヶ峰までは緩やかな稜線歩きです。
約70mほど標高を下げて、約30mほど登り返す感じの道になります。

見晴岳からは池ノ平湿原の観光ルートになるので、指導標は多く建てられています。
人の数も増えるので安心して歩けますよ。

右下が見晴岳方面で一番上が三方ヶ峰です。
三方ヶ峰に登った後は、池ノ平湿原を突っ切るように一番下に向かって歩きます。

三方ヶ峰へ至る道の途中にコマクサの群生地がありました。
株はやや小さめですが、たくさん咲いていました。

三方ヶ峰へ向けて歩いている途中、池ノ平湿原を望める場所に出合いました。
湿原を囲むように木道が整備されているのが確認できます。
ガスが立ち込めている奥のピークは浅間山ですね。

見晴岳から三方ヶ峰へ至る道も整備が行き届いていて歩きやすいですね。

ここは三方ヶ峰方面へ。

これはキジムシロでしょうか。
いや、ミツバツチグリかな?3枚の小葉があるし・・・
似ている花が多いので確証が得られません。。。

三方ヶ峰への登り返しです。
大きな登り返しではないので問題なく歩けますよ。

本日2座目の三方ヶ峰に到着です。標高は2,040m。

山頂は広いですね。
ベンチも設置されているので休憩地に適していると思います。
周りの景色も良いですしね。

山頂周辺にもコマクサの群生地がありました。

こちらの群生地の方が株の数が多い印象です。

爽快なる池ノ平湿原

三方ヶ峰を後にして池ノ平湿原を目指します。
約40mほど標高を下げたところに池ノ平湿原があります。

池ノ平湿原に到着です。
この大きく開けた景色が湿原の醍醐味ですよね。
解放感がハンパないです。

湿原を後にして、篭ノ登山の登山口を目指して歩いていきます。
緩やかに登る感じの道です。

池ノ平湿原の入口に着きました。
正面のピークは西篭ノ登山でしょうか。

地蔵峠から見晴岳、三方ヶ峰、池ノ平湿原と歩いてきましたが、たくさんのお花が咲いていて良いコースでした。
池ノ平湿原も季節ごとにたくさんのお花が咲くみたいなので年間を通して楽しめそうですね。

湿原の入口にはインフォメーションセンターがあります。
ここで散策マップなどが手に入ります。

ここまでは自家用車の乗り入れが可能なのでお手軽にアクセスできます。
天気にも恵まれたのでたくさんの車が停まっていました。
駐車場にはトイレがありますよ。

3座目は東篭ノ登山!!

さて、今日の3座目となる東篭ノ登山へ向けて歩いていきましょう。
登山口は兎平駐車場の正面にあります。
篭ノ登山は東のピークと西のピークの2つからなり、東西のピーク間は約40分です。

登山口から山頂までは約40分です。
序盤は樹林帯の中を緩やかに登って行きます。

山頂までは1本道で、途中指導標もあるので安心です。

徐々に露出した岩がゴロゴロのガレ道になります。
勾配もだんだんキツくなってきますよ。

途中で振り返ると池之平湿原が望めました。
右のピークは見晴岳、正面奥が三方ヶ峰です。

西側には湯ノ丸山と烏帽子岳が大きく望めます。

山頂直下は岩ゴロゴロのガレ道です。
滑りやすいので慎重に。

グイっと標高が上がり、さっきよりも池之平湿原が良く見えます。
奥に薄っすらと映る稜線は美ヶ原高原でしょうか。

山頂手前まで登ってきました。
こう見るととても広い山頂ですね。

東篭ノ登山に着きました。標高は2,227mです。
山頂には1等三角点があります。

山頂からは360度視界が開けているので抜群の景色が楽しめます。
東側は、正面奥に浅間山、左側のピークは水ノ塔山、右にはアサマ2000スキー場ですね。
水ノ塔山の山腹には高峰林道が確認できます。

北側は四阿山と根子岳を望むことができます。

西側は、右から西篭ノ登山、湯ノ丸山、烏帽子岳と3つのお山を大きく望めます。

南側は池之平湿原と見晴岳、三方ヶ峰です。
奥には八ヶ岳や美ヶ原高原が望めるのですが、霞がかかっていて良く見えませんでした。。。

展望を目に焼きつけて下山

山頂でお昼ご飯を食べながら景色を楽しみながら70分ほど過ごしたので、そろそろ下山します。

カラマツの新緑が眩しいです。

樹林帯に入るまではガレ道なので滑らないように慎重に。
景色に見惚れていると転びますよ。

樹林帯まで下りてきました。
徐々に勾配も緩やかになってくるので安心できます。

このお花はミツバオウレンですね。
常緑の多年草で初夏の花です。高山帯でよく見かけますね。

やや朽ちた指導標。
なんとか読めますかね。。。

指導標は朽ちていても、赤テープはバッチリあるので大丈夫です。

兎平登山口まで下りてきました。
ここから地蔵峠に向かってさらに下りていきます。

アズマシャクナゲの木も多く出合いましたが、まだ蕾でしたね。
満開の花が見たかったです。

兎平登山口から地蔵峠へつながる道もカラマツ林の道です。
カラマツの落葉で足元はフカフカですよ。

1本道で指導標もしっかり建てられているので問題なく歩けます。

地蔵峠と兎平登山口の間を歩く人は少ないですね。
今朝も誰とも会いませんでしたが、帰りも誰とも会いませんでした。
おかげで、静かな山歩きを楽しむことができました。

途中で1度車道に出合います。
車道を渡ると地蔵峠へ至る道につながります。

ここにもやや朽ちた指導標がありました。
ギリギリ読めるかな・・・、いや、読めないか。。。

地蔵峠側の登山口まで下りてきました。
この樹林帯歩きは静かに歩けるのでオススメです。

東篭ノ登山を歩いてみて

篭ノ登山に登る際は、ぜひ、地蔵峠から登ってみてください。

歩いている人が少ないので、カラマツ林の中を静かに歩けてても気持ち良いです。
また、たくさんのお花も咲いているので、人を気にせずゆっくり鑑賞しながら歩けますよ。

見晴岳、三方ヶ峰経由で東篭ノ登山に登っても約6時間の行程なので、日帰り登山にオススメです。展望も良いですしね。

兎平登山口から、東篭ノ登山、西篭ノ登山、水ノ塔山を”T字”に歩いてみるのも良いかもしれません。

カラマツが多かったので、次は紅葉の時期に訪れてみようかな。