乗鞍岳 ~暴風とガスの向こうに広がる絶景~

登山ブログ
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夏山シーズンとなり、北アルプスの季節がやってきました。

本当は数泊しながら縦走したい山域なのですが、今回は日帰りで登れるお山を探しました。
北アルプスで日帰りができて、未だ登っていないお山・・・

そんな山あるのか!?と、思いながら、地図を眺めていると、

あるではないですか!!
日帰りできる北アルプスのお山が!!

そのお山は乗鞍岳です。

今回は長野県側から入山しました。

天気は、、、ね。。。それはそれは、ヒドイもんですよ・・・

でも、最後にはご褒美もありましたよ!!

乗鞍岳の基本情報

乗鞍岳ってどんなお山?

乗鞍岳って、何県にあるんだろう?
どんな登山コースがあるのかな?

週末山男
週末山男

乗鞍岳は岐阜県と長野県にまたがっている山で、多くの峰々を総称して「乗鞍岳」と呼んでいるんだ。
多くの人は、畳平から山頂を目指すコースを利用しているよ。

  • 乗鞍岳(のりくらだけ)は、岐阜県と長野県にある標高3,026mのお山。
  • 乗鞍岳は剣ヶ峰を主峰とする山々の総称で、カルデラを構成する8峰と、その周囲の23峰から構成されている。
  • 代表的な登山コースは畳平から肩ノ小屋を経て山頂へ至るルート。
  • ほかにも多数の登山コースがあり何度も楽しめそうなお山。

登山口へのアクセス

アクセス方法は? 登山口に駐車場やトイレはあるの?

登山口まではどうやって行ったらいいのだろう?
駐車場やトイレはあるのかな?

週末山男
週末山男

畳平まではマイカー規制のためシャトルバスでのアクセスになるんだ。

麓には駐車場があるので、マイカーでのアクセスが便利かな。

またトイレもあるので安心。

長野県側のベースとなる「乗鞍高原観光センター」には駐車場が整備されているので、マイカーでのアクセスが便利。また、駐車場にはトイレもある。

岐阜県側の平湯温泉・ほおのき平から乗鞍畳平へアクセスする「乗鞍スカイライン」は、土砂災害のため通行止めとなっている。

(2020年8月9日時点)

長野県側のベースとなる「乗鞍高原観光センター」の駐車場。
とても広い駐車場ですが繁忙期は満車になるとのことだが、周辺にも多くの駐車場があるので停められない事は無いです。

登山ルート上に山小屋ってあるの?

登山ルート上に山小屋や水場ってあるの?

登山ルートに山小屋はあるのだろうか?
水場やトイレが心配だ。

週末山男
週末山男

畳平から山頂へ至るルート上には「肩ノ小屋」と「頂上小屋」があるよ。
双方ともに売店があるので軽食や水の補給は可能。

ただし、トイレは肩ノ小屋にしかないんだ。

畳平から山頂へ至るルート上に「肩ノ小屋」と「頂上小屋」の2件の山小屋がある。

売店で飲食の補給が可能。

道中のトイレは「肩ノ小屋」のみ。

乗鞍岳に行ってきました!!

山のぼりした日

2020年 8月 9日(日)

コースタイム

乗鞍畳平バス停(11:25)・・・肩ノ小屋(11:58)・・・朝日岳(12:40)・・・蚕玉岳(12:46)・・・頂上小屋(12:56)・・・乗鞍岳(剣ヶ峰)(12:58)・・・蚕玉岳(14:02)・・・朝日岳(14:06)・・・肩ノ小屋(14:31)・・・乗鞍畳平バス停(15:18)・・・魔王岳(15:27)・・・乗鞍畳平バス停(15:39)

GPSトラッキング

合計距離: 6.74 km
最高点の標高: 3021 m
最低点の標高: 2681 m
累積標高(上り): 572 m
累積標高(下り): -569 m
総所要時間: 04:16:12

山のぼり開始

いざ!天空の登山口「畳平」へ

今回は長野県側からのアクセスとなるため、乗鞍観光センターからシャトルバスに乗って畳平を目指します。雲は多いですが青空も見えてきました。

往復チケットを購入してシャトルバス乗り場に並びます。
すでに多くの人が並んでました。

この日は8時のバスに乗ったのですが、多くの人が並んでいたため1台のバスでは乗り切らず、2台のバスで畳平へと向かいました。

乗鞍観光センターからバスに揺られること60分ほどで畳平に着きました。
そこは、真っ白な世界・・・
10メートル先も見えないぐらいの濃いガスに覆われていました。

天候が良ければ、この標の前で記念撮影したかったのですが、、、
残念・・・

畳平に建つ乗鞍本宮神社の中ノ社です。
おみくじや御朱印もいただけます。本宮は剣ヶ峰の山頂にあります。

畳平にあるバス停は、日本一高所にあるバス停です。
標高は2,702m!!
麓から60分ほどで約1,300mほど標高が上がるので、高山病の症状が出る人もいるのでは?

ガスガスの中、とりあえず歩いてみますか

畳平のバスターミナルの待合で2時間ほど天候の回復を待っていましたが、なかなか晴れず・・・
風は強いですが雨は降っていないので、とりあえず途中の「肩ノ小屋」まで歩いてみることにしました。道中でガスが晴れるかも!?という期待を持ちつつ。

この日のお花畑コースは、落石のため通行止めとなっていました。
こんな天気なので通行止めでも問題ナシです。

こんな感じで濃いガスに包まれながら歩みを進めます。
肩ノ小屋までは緩やかに標高を上げていく感じです。道も整備されていて安心です。

畳平から30分ほどで肩ノ小屋に着きました。
ここもガスガスですね。。。小屋の中で休みながら天候の様子を見ます。

肩ノ小屋からは60分ほどで剣ヶ峰の山頂に立つことができます。
また、小屋から少し歩いたところにトイレもあります。

剣ヶ峰へと続く登山口。
この先に進むべきか、ここで撤退すべきか・・・
う~ん、どうしよう。。。

ここまで来たなら山頂へ行こう!

20分ほど肩ノ小屋で停滞していましたが、天候は変わらず。
天気予報でも時間が経つほど徐々に回復に向かうとのことだったので、剣ヶ峰へと向かうことにしました。ここから60分ほどの道のりです。

おっ!? ガスが切れ始めた!?
今までガスが切れることはなかったのですが、ここにきて少しずつガスが切れ始めました。
これは好天の予感!??

肩ノ小屋から剣ヶ峰へと続く道も、しっかり整備されていて歩きやすいですね。
緑ロープでコースをしっかり示してくれているので道迷いは少ないと思いますが、ガスが濃い時は慎重に。

途中で頂上小屋の歩荷さんに出合いました。
「重そうな荷物ですね」という問いに対して、「これ、Tシャツなので見た目よりも軽いんですよ」という回答。周囲の登山者さんもニッコリでした。
Tシャツとは言え、この天気の中、歩荷は大変な作業です。

この手作りな指導標の先を登り詰めると、頂上小屋があります。
もう一息ですね。

肩ノ小屋から60分ほど歩いて頂上小屋に着きました。
ここで一息入れてから剣ヶ峰の山頂へ向かいます。

売店もあるので、軽食や飲み物を買うことができます。
自炊でガスバーナーを使う際は、小屋の裏手側で使用することになってます。

頂上小屋で一息入れて、サクッと剣ヶ峰の山頂にやってきました。
山頂の東側・長野県側を向いて建っているのは朝日神社です。

その裏手、岐阜県側には奥宮の乗鞍本宮が建てられています。
この日は暴風のため奥宮は閉じられていました。

奥宮の前には三角点があります。

乗鞍岳の最高峰・剣ヶ峰に建つ山頂標。
標高は3,026mです。畳平からは約300mほどの標高差です。

そうそうに撤退、、、すると・・・

山頂はあまりの暴風のため、そそくさと頂上小屋へ下りてきました。
山頂からの景色を楽しむことができず残念です・・・

頂上小屋から肩ノ小屋へと下っていると、視界がパッと晴れてきました。
一瞬でしたが、見えなかった景色が見えた気がします。

肩ノ小屋もガスの中に浮かび上がるように望めました。
これくらい景色が望めると気分も上がりますね。

肩ノ小屋まで下りてきたときには、ふたたび濃いガスの中に・・・
でも、どんどん好天に向かっているのは確かです。

肩ノ小屋から畳平へ向けて歩いていきます。
ガスが薄くなってきましたね。先のほうまで見通せるようになってきました。

ガスの中から乗鞍大雪渓を望むことができました。
たくさんの人が大雪渓での滑りを楽しんでいました。気持ちよさそう!

長野県側の乗鞍エコーラインですね。
くねくねと折れながら続く道が見事です。

見えていなかった景色が見える!!

摩利支天ですね。このピークは。
登っているときは何も見えなかったのですが、こんな感じのピークだったんですね。

遠くの景色だけではなく、足元の景色も見えるようになってきました。
乗鞍にはコマクサがたくさん咲いていました。
時期的には最終版を迎えていますが、まだまだ綺麗な花をつけています。

この池は不消ヶ池(きえずがいけ)です。
富士見岳の西側にあり、雪は年間を通じて消えることは無いみたいです。

帰りは鶴ヶ池経由で畳平へ向かいます。

鶴ヶ池に向かう途中、ガスの中に浮かぶ畳平を望むことができました。
こんな感じだったんですね。畳平は。

眼下に鶴ヶ池を望みます。正面のピークは魔王岳ですね。
とても大きな池です。

鶴ヶ池から望むお花畑の周回道です。
最盛期にはたくさんの高山植物を見ることができるんでしょうね。
今度は天気の良い中歩きたいと思います。

お花畑の周回道の近くでうごめく黒い塊。
これは、もしや・・・
そうです。ツキノワグマです。乗鞍の森林パトロールの方がクマの存在を教えてくれました。

畳平に戻ってきました。
ガスが晴れた畳平を見るのは初めてです。こんなに広い場所だったんですね。

ついでにもう一座

帰りのバスまで少し時間があるので、近くてすぐに登れる魔王岳に登ります。
山頂までは15分ぐらいでしょうか。

きれいな石の階段が続きます。
歩きやすいですがキツイですね。階段は。。。

ピークに建つ標のところが魔王岳の山頂です。
山頂に近づくにつれてガスが濃くなってきました。

魔王岳の山頂に着きました。
標高は2,764mなので、畳平からは約40mほどの標高差しかないです。
お手軽に誰でも登れる峰ですね。

帰りのバスに乗り、途中の位ヶ原山荘をパシャリ。
紅葉の時期は、ここから紅葉を愛でながら山頂を目指すルートが良さそうです。

ベースの乗鞍観光センターに着きました。
すっかり青空となり良い天気です。あと3時間、天気の回復が早ければ・・・

乗鞍岳を歩いてみて

これだけ手軽に登れる3,000m峰は、ほかに無いですね。

2,700mまでバスで登れるのはラクチンです。

ガッツリ歩きたい人は、途中の位ヶ原や大雪渓から山頂を目指すルートを歩くことができるので、自身の力量に合わせたルート選択ができるのも良いですね。

夏山も良いですが、やっぱり紅葉の時期の乗鞍も歩きたいです。

つぎ歩くときは、晴天の中、紅葉を愛でながら。ですかね!?