入笠山 ~スズランの大群生と展望のお山~

登山ブログ
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2020年、最初の山行に行ってきました。

新型コロナウィルスの影響で外出自粛が続き、春山を楽しむことはできませんでしたが、その後、徐々に制限が緩和され、6月19日に県外移動が可能となりました。

登山者を受け入れる山域では、感染対策に気を配りながら登山者を受け入れるという、新しいルールの下での登山再開に、大変な苦労を強いられていることと思います。

6月末の時期を迎えても、再開している山小屋はまだ一部に過ぎませんし、今シーズンは閉鎖を決めている山小屋も多くあります。

入山する者としては、いままで以上に「安全登山」を強く意識し行動しなければなりません。入山した山域の山小屋が閉鎖しているということは、いざという時の緊急避難先として山小屋が利用できないということです。

入山する山を選ぶ際には、これらのリスクを十分に理解し、難易度を下げた山を選ぶことが大切になります。登山では無理は禁物ですから。

新しい生活様式や登山スタイルを理解して、無理のない楽しい山行をこれからも続けていきたいと思います。

ということで、2020年最初の山行は「花の百名山」にも選ばれている入笠山へ行ってきました!!

6月の入笠山と言えば「スズラン」の大群生が見頃を迎え、また、山頂からの展望が期待できるお山ということで、初夏のお花と展望を楽しんできましたよ!!

入笠山の基本情報

入笠山ってどんなお山?

入笠山って何県にあるんだろう?
どんな登山コースがあるのかな?

週末山男
週末山男

入笠山は長野県にある山だね。

富士見パノラマリゾートのゴンドラ山頂駅から入笠山の山頂を目指すコースが、多くの人に歩かれているポピュラーなコースなんだ。

  • 入笠山(にゅうかさやま)は、長野県にある標高1,955mのお山。
  • 代表的な登山コースは、ゴンドラ山頂駅からマナスル山荘を経て山頂へ至るルート。
  • 一年を通じて数多くのお花が咲く山として有名。

登山口へのアクセス

アクセス方法は? 登山口に駐車場やトイレはあるの?

登山口まではどうやって行ったらいいのだろう?
駐車場やトイレはあるのかな?

週末山男
週末山男

ゴンドラを利用する場合の拠点となる「富士見パノラマリゾート」には駐車場があるのでマイカーでのアクセスが便利。

駐車場にはトイレもあるよ。

富士見パノラマリゾートの駐車場。
とても広い駐車場で車中泊も容認しています。

駐車場の脇にあるトイレ。
きれいなトイレは24時間利用可能で自販機もあります。

「富士見パノラマリゾート」には駐車場があるのでマイカーでのアクセスが便利。
また、駐車場には24時間利用可能なトイレもある。

富士見パノラマリゾートには路線バスの運行が無いため、公共交通機関を利用する場合は注意が必要。冬季はシャトルバスの運行あり。
(冬季以外は最寄りの富士見駅からタクシー利用)

登山ルート上に山小屋ってあるの?

登山ルート上に山小屋や水場ってあるの?

登山ルートに山小屋はあるのかしら?
水場やトイレが心配・・・

週末山男
週末山男

ゴンドラ山頂駅から入笠山の山頂へ至るルート上には、数件の山小屋があるんだ。また、トイレも数か所にあるので安心だね。

山頂へ至るルート上には、数件の山小屋とトイレがあるので、いざという時の食料や水の心配はない。
※ただし、最低限の食料や水は携行すること。

入笠山に行ってきました!!

山のぼりした日

2020年 6月21日(日)

コースタイム

ゴンドラ山頂駅(8:46)・・・山彦荘(9:16)・・・入笠山(10:05)・・・マナスル山荘(11:24)・・・山彦荘(11:43)・・・ゴンドラ山頂駅(12:11)

GPSトラッキング

合計距離: 5.54 km
最高点の標高: 1967 m
最低点の標高: 1741 m
総所要時間: 03:24:43

山のぼり開始

ゴンドラ山頂駅へ

今回の山行では「富士見パノラマゴンドラ」を利用するので、チケット購入列に並びます。地面にはソーシャルディスタンスのためのマークが設置されていました。

ゴンドラ往復チケットを購入し、ゴンドラ乗り場へ移動します。
この日は8:30からの運行でした。

このゴンドラで一気に標高1,780mまで登っちゃいます。
山麓駅の標高が1,050mなので、標高差730mをグイっと登ることになります。

8:30となりゴンドラの運行が始まりました。
ゴンドラへの乗車はグループ単位での案内でしたね。感染防止対策の一環でしょうか。

登りのゴンドラの景色は後方の眺めが良いですよ。正面に八ヶ岳が大きく望めるので。
この日は雲に覆われていましたが、切れ間から山容を見ることができました。

山頂駅に到着すると、そこはガスガスな世界でした。。
ガスの流れもあるので切れ間に期待しましょう。
まずは「ドイツすずらん」の群生地に向かいます。

ドイツすずらんは終盤といった感じでしたが、ギリギリ楽しめるかな。といった具合でしょうか。

探せば可憐なお花を眺めることができます。
白い小さいお花ですね。

山頂駅周辺には山野草公園が整備されていて、季節ごとのお花がズラッと記されています。この時期は緑色の表に記されたお花を楽しむことができます。

山野草公園は帰りにも立ち寄ることができるので、まずは入笠山の山頂へ向かいます。

山頂駅から入笠湿原を経由して入笠山の山頂へ至る王道コースを歩きます。
スタスタ歩けば60分ほどで山頂へ立てるぐらいのライトな登山ですが、せっかくなので、お花を楽しみながらゆっくり歩きましょう。

このお花は「セイヨウノコギリソウ」でしょうか。違うかな?

入笠湿原でお花を愛でる

多くの指導標が建てられているので安心して歩けます。
まぁ、そもそも一本道なので迷うリスクは少ないと思いますが油断禁物で。

この辺りは高低差が少ない樹林帯のコースなので歩きやすですね。
この森を抜けると入笠湿原です。

入笠湿原の入り口に設置されたシカ避けの柵。
湿原の植物が荒らされないように扉はしっかり閉じましょう。

入笠湿原に着きました。ここは「日本スズラン」が咲き乱れています。
また、日本スズラン以外にもたくさんのお花が咲いているので、お花を楽しみながら歩きましょう。

「アヤメ」ですね。きれいな色です。

これは「ウマノアシガタ」でしょうか。別名は「キンポウゲ」です。
可憐なお花ですが有毒植物なのでご注意。

これは「日本スズラン」ですね。いまが最盛期といった感じです。
ドイツスズランは葉の上まで立って咲き、日本スズランは低く咲くみたいです。

「アヤメ」が群をなしていました。
すべての株の花が咲くと、とても綺麗なんでしょうね。

入笠湿原の中心付近にやってきました。
左側には山彦荘が見えています。飲食ができる山小屋です。

「ウマノアシガタ」がたくさん咲いていました。
黄色の絨毯です。壮観ですね。

中央奥から下ってきました。この斜面は日本スズランの群落地です。
当たり前ですが、木道の上を必ず歩きましょう。

このお花は「クリンソウ」でしょうか。
基本的には紅紫色のお花ですが、稀にピンクや白色の花を咲かせるみたいです。

この鮮やかなお花は「レンゲツツジ」ですね。
このお花も有毒植物なんです。牛や馬も食べないので牧場でたくさん咲いていることが多いです。

入笠湿原にも多くのレンゲツツジが咲いていました。
レンゲツツジの朱色は緑色に映えますね。

ドドンっと「入笠湿原」の標。
たくさんのお花の名前が記されていますよ。いつ来てもお花を楽しめる場所です。

入笠湿原の全景です。
今回は右上から歩いてきて、左下へ抜けましたが、左上にもコースが続いています。
帰りは左上のコースを歩いてゴンドラ山頂駅へ向かいます。

お花畑が続きます

山彦荘に着きました。
小屋の前にベンチがいくつか設置されているので、ここで小休止しましょう。

小屋の前から続く入笠山山頂へ至る道。
ここまでで1/3ほどでしょうか。ずいぶんのんびり歩きました。

山彦荘の隣にはきれいなトイレがあります。

山頂へ向けてのんびり歩いていきましょう。
緑に囲まれた気持ちの良い道が続きます。

クリンソウが群生している場所がありました。
写真では伝わりづらいですが、ものすごい数のクリンソウです。

右の道を行くとマナスル山荘ですが、往路は柵を超えてお花畑ルートで山頂へ向かいます。マナスル山荘には帰りに立ち寄ります。

お花畑に入った途端、ガスガスな雰囲気になってしまった・・・
まぁ、これはこれで幻想的で良いですけどね。。。

ガスが晴れたり、覆ったりの繰り返しです。
おかげで涼しくて歩きやすかったです。

ここもたくさんのお花が楽しめます。
まずは「日本スズラン」です。

これは「シロバナノヘビイチゴ」ですね。
宮城県から中部地方までのエリアと屋久島にしか咲かないお花です。

シロバナノヘビイチゴに似ていますが、このお花は「ツマトリソウ」ですね。
花の先が尖っているのが特徴です。

こっちが「シロバナノヘビイチゴ」です。
花弁は丸く5枚です。

日本スズランを下から覗き込んでみました。
下向きに花を咲かせるので、覗き込まないとお花の中心を見ることができないんです。

いいアクセントになっているレンゲツツジ。
「美しいものには毒がある」の典型的なお花です。

これは「ミツバツチグリ」でしょうか。
花弁が5枚ありますし。葉っぱも披針形でギザギザですし。

お花を愛でながら歩いているので、とっても歩みが遅いです。。。
ここから20分ほどで山頂なので、最後はしっかり歩いて、山頂でお昼ご飯にしましょう。

入笠山の山頂へ

ここから上は、今日一番の山歩きとなります。
緊張感(?)を持って歩いていきましょう。

道の雰囲気も、いままでのハイキングコースからガラッと変わってきました。

山頂へ至る道は2種類あります。岩場コースと岩場迂回コースです。
せっかくなので「岩場コース」を選択して山歩きを楽しみましょう。

しっかりとした岩場コースです。
っと言っても、普段お山で歩いている整備された登山道といった感じでしょうか。

クサリもありますが大人は使わないでも歩けます。
小さなお子ちゃま用のクサリかな?

こんな感じの雰囲気です。
いままでと比べるとしっかりとした山道ですけど、心配なく歩ける道です。

これは山頂直下の階段です。
なんとなく山頂直下は階段になっている山が多い気がします。

着きました!! 入笠山の山頂に!!
標高は1,955mなので、ゴンドラ山頂駅から約170mしか登っていないですね(笑)

山頂からの大展望?

山頂からは360度の大展望が・・・、とはいきませんでしたが、それでも見事な景色を望むことができました。
中央には諏訪湖が薄っすらと望めます。北側の景色です。

こっちは北西側なので、北アルプスの方向です。
雲が厚く遠方までは望めませんね。。。

今後は西側です。中央アルプスの方向です。
谷に広がる街(伊那でしょうか)は見えますが、山容までは望めませんね。

時折、青空も覗くような天気でした。
たくさんの人が入笠山に登っていましたよ。

三角点に寄り添うように神様の何かでしょうか。
ありがたい感じが出てました。

山頂に設置された山名方位盤。
これを見る限り、360度ぐるりとお山を眺めることができる山頂だと言うことがわかります。

八ヶ岳が望めるはずの北東側は・・・、まったくダメですね。。
ガスガスガスガスで何も見えません。。。

山頂はこんな感じで広いです。
かなりの人数が滞在できると思います。

さっきよりも、はっきりと諏訪湖を望むことができました。

さて、お昼ご飯も食べたので下山しましょう。
せっかくなので、「岩場迂回コース」を利用して下山します。

下界へ向けて

大阿原湿原への分岐点です。
今回は寄り道無しでマナスル山荘方面へ下山しますが、次回は足を延ばして大阿原湿原を歩いてみたいと思います。

さすが「岩場迂回コース」なだけあって、とっても歩きやすです。
下山はこっちのルートがおすすめですね。

あっという間にマナスル山荘へ下山してきました。
ここには天体観測ができる大きな望遠鏡があるので、条件が良ければ星空を楽しむことができそうですね。

マナスル山荘でも、新型コロナ感染対策をしっかりと行っていました。
注意事項が掲示されているので、しっかりと読んで、みんなで感染予防に努めましょう。

お昼時だったので、たくさんの人がご飯を楽しんでいました。
ご飯以外にも、山小屋のお土産がたくさんあります。

マナスル山荘前に建てられているトイレ。
ルート上に複数箇所あるので安心です。

入笠湿原に戻ってきました。
帰りは左上へと続くルートを歩いていきます。

嫌いな木の階段がしばらく続きます。。。
歩幅と段が絶妙に合わないので歩き辛いっす。

帰り道も一本道なので、迷わず歩けます。
ゴンドラの最終時間だけは気にしながら歩いてくださいね。

ゴンドラ山頂駅付近には「ニッコウキスゲ」が咲いていました。

朝はガスガスでしたが、昼過ぎにはゴンドラ山頂駅からも八ヶ岳がきれいに見えました。これぐらい望めるといいですね。

ゴンドラに乗って、一気に下界へワープ!!
正面に八ヶ岳を捉えながら、ひと時の空中散歩を楽しみましょう。

入笠山を歩いてみて

ゴンドラを利用すると標高差200mほどで山頂へ立てるので、お手軽登山が楽しめます。

ルート上には山小屋やトイレもあるので、いろいろと安心ですね。

6月はスズランが見頃を迎えますが、雪解けから秋にかけて、たくさんのお花を楽しめるので、違った季節に来ても、何度でも楽しめるお山だと思いました。

今度は初秋の時期に歩いてみようかな。雪山の時期も楽しそうだな。