4月に入り、街中の桜も満開を迎え、春爛漫な季節になってきましたが、標高の高いお山はまだまだ厳しい冬が続いています。
この時期のお山は、標高1000mほどが歩きやすくオススメですね。
暑くもなく寒くもなく、気持ちの良い山のぼりができます。
天候に恵まれそうな週末、1000m前後で適度な標高差のあるお山はどこかな?と、探していると、丁度良さそうなお山が見つかりました!!
そのお山は「棒ノ折山」です。
沢沿いの登山道あり、樹林帯の登山道あり、急登の階段ありと、変化に富んだ登山が楽しめ、山頂からの景色もバツグン!
標高差も約700mと、夏山に向けての山慣れをするにもバッチリ!
とても充実した山行になりましたよ!!
棒ノ折山ってどんなお山?
お山の基本情報
棒ノ折山(ぼうのおれやま)は、埼玉県飯能市と東京都奥多摩町との境にある標高969mのお山。棒ノ折嶺、棒ノ峰、棒ノ嶺などとも言われています。
代表的なコースは、有間ダム(名栗湖)にある白谷沢登山口から権次入峠(ゴンジリ峠)へと登り、山頂へ至るルートではないでしょうか。
このコースは、ゴルジュ帯の中の沢登りが楽しめるコースです。
登山口へのアクセスは? 駐車場は? トイレは?
多くの人が利用する「白谷沢登山口」へは、マイカーでも公共交通機関でも、どちらでも便が良いです。
マイカーの場合は「さわらびの湯」周辺の駐車場を利用するのが良いです。
トイレは「お休処 やませみ」の正面にあります。
公共交通の場合は、飯能駅からバス利用で「さわらびの湯」バス停で下車します。飯能駅からはおよそ45分ほどのバス旅です。
「お休処 やませみ」の駐車場です。
8時ごろには満車近くの台数が停まっていました。

「お休処 やませみ」の正面にあるトイレ。
男女別のきれいなトイレです。多目的トイレもあります。

「さわらびの湯」バス停です。
飯能駅発の複数の系統が、このバス停まで乗り入れています。

「さわらびの湯」バス停付近から駐車場の方向です。
左奥に「お休処 やませみ」の建物があり、その右手にトイレがあります。
手前は駐車場です。

登山ルート上に小屋やトイレはある?
白谷沢登山口から山頂へ至るルート上に小屋やトイレはありません。
「さわらびの湯」バス停付近で済ませておきましょう。
山頂には東屋がありますが物品等の販売はありません。
「さわらびの湯」方面へ下山する際に利用する滝ノ平尾根ルート、黒山から小沢峠へ至るルート、岩茸石山から御嶽駅へ向かうルート、これらいずれのルート上にも小屋やトイレはありません。
棒ノ折山に行ってきました!!
山のぼりした日
2019年 4月 6日(土)
コースタイム
さわらびの湯バス停(08:00)・・・白谷橋(08:25)・・・674m地点(09:35)・・・岩茸石(10:00)・・・権次入峠(10:35)・・・棒ノ嶺(棒ノ折山)(10:50)・・・権次入峠(11:30)・・・岩茸石(11:45)・・・さわらびの湯バス停(13:21)
GPSトラッキング
最高点の標高: 978 m
最低点の標高: 233 m
累積標高(上り): 2089 m
累積標高(下り): -2094 m
総所要時間: 05:06:26
山のぼり開始
さわらびの湯バス停から白谷沢へ
「さわらびの湯」バス停付近に建てられている立派な案内板。
今回歩くルート以外にも、たくさんのコースがあるんだな。と、感じました。

入山する前に確認しましょう。
どれも「登山者の心得」として大切な事ばかりです。

「なぐりづえ」と名付けられた竹製の棒。バス停付近に設置されています。
誰でも自由に使えます。使ったあとは必ず元に戻しましょう。

バス停を後にして、まずは「有間ダム」へ向かって歩いていきます。
ダムまでは車道を歩いていきますが、この道がなかなかの勾配なのでゆっくり歩いていきましょう。

バス停から15分ほど歩いたでしょうか。指導標が建っていました。
今回のルートは「関東ふれあいの道」に指定されているので、ルート上にたくさんの指導標が建てられています。安心して歩けますね。

「有間ダム」に到着しました。
風も無く、天気もサイコ―!!良い山行になりそうです。
ダムの堰堤を歩いて反対側へ向かいます。
この日はたくさんの人が棒ノ折山へと向かっていました。

ダム沿いを登山口に向かって歩いていると、きれいなサクラが咲いていました。
お花見をしたくなるような陽気と景色です。

白谷沢登山口に到着です。
ここから山のぼり開始となるので、もう一度装備を確認しましょう。

登山口には「登山ポスト」もありますよ。
登山届も用意されているので、この場で記入し提出することができます。

いざ棒ノ折山へ!!
登山口から3.3km、およそ150分ほどで山頂へ到着するのではないでしょうか。

まずは樹林帯の中を歩いていきます。
登山道の幅は広くないので、すれ違う際は注意が必要です。
「コバトン」が描かれた指導標もありました。
指導標や赤テープなどがルート上に多く設置されているので、道迷いのリスクは少ないと思いますが、地図は携帯して歩きましょう。

「関東ふれあいの道」といえば、この石の標ですね。
山頂まであと3km。

根が露出した道を進んでいきます。
根を踏むと滑ることがあるので、なるべく踏まないように進みます。

登山道の脇に咲いていたナガバノスミレサイシン。
早春(3月下旬~4月上旬)のお花で、沢沿いの湿った林に生える多年草です。

指導標は数多く設置されているので安心して歩けますよ。
まずは岩茸石を目指して歩いていきます。

樹林帯の中ですが、陽の光が多く差し込んでいるので明るい道です。
所々にグッと登る箇所がありますが問題なく通過できると思います。
シダが多く茂っています。
沢沿いの道ということもあり、シダ植物が育ちやすい環境なんですね。

樹林帯の道から沢沿いの道に変わりました。
ここからが白谷沢ルートの核心部です。
沢歩きしながら標高を上げていきますよ。

白谷沢を登って
ガラッと登山道の雰囲気が変わります。
沢の水で岩が濡れいているので滑りやすい箇所も多いです。
慎重に通過していきましょう。

「天狗の滝」に到着しました。
写真では滝の落差をうまく表現できませんが、なんとなく伝わりますか?
このように両岸の岩壁が狭まっている地形を「ゴルジュ帯」と呼ぶそうです。
白谷沢ルート上にはゴルジュ帯が2箇所あり、天狗の滝を過ぎた辺りが最初のゴルジュ帯となります。

1つ目のゴルジュ帯を過ぎて、引き続き沢を登っていきます。
雨のあとなど、沢の水量が多い時は注意が必要ですね。

2つ目のゴルジュ帯に着きました。
ここが白谷沢ルート上で一番のポイントとなる箇所で、左下から右上に向かって登っていき、その先にロープが設置された斜面があります。
まずはクサリが設置された斜面を登っていきます。
クサリに頼らずとも問題なく登っていけますが、傾斜がきついので足元には注意ですね。

クサリを登った先に、ロープが垂らされた斜面があります。
ここも足場はしっかりしているので、慌てずゆっくり登っていきましょう。

ロープを登りきった先から振り返ります。
中央に人が立っている場所から登ってきました。
振り返るとなかなかの高度感を感じられます。

ふたたびのロープ。
この斜面は先ほどのロープよりもきついので、ロープを掴みながら登っていきましょう。

ロープ場を過ぎると核心部を通過したことになります。
ここから先は再び樹林帯の中を進んでいきます。

岩茸石に向かって
山頂まであと2kmですね。
白谷沢の登山口から山頂までのうち、約1/3を歩いてきたことになります。

こんな感じの道です。
さっきまでの沢と比べるとガラリと雰囲気が変わりますね。
この指導標が建てられている場所で車道に出合います。
車道を渡った先にはベンチがあるので、休憩地にはもってこいですよ。
ベンチ前に建てられた指導標。山頂まで1.5kmです。
ここで半分ぐらいですね。

ベンチからは急登をグイッと登っていきます。
そんなに距離は長くないので、呼吸を乱さないペースで歩いていきましょう。
急登を登りきると緩やかな勾配の道に変わるので、大きく深呼吸をして心肺をリセットしましょう。
岩茸石に到着しました。
高さは10mほどでしょうか。うまく足場を探せば登れそうです。

岩茸石は各ルートが出合うポイントです。
今回は「白谷沢登山口」方面から登ってきて、ここから「棒ノ嶺方面へと進みます。帰りは「河又バス停」方面へ下りていきます。

棒ノ折山の山頂を目指して
いよいよ山頂へ向けての最後の踏ん張りです。
まずは「ゴンジリ峠」へ向かって進んでいきますよ!!

この日は朝からずーっと快晴微風の山のぼり日和となりました。
初春でも日差しは強いので日焼け対策はしっかりと。

山頂まで1kmとなりました。もうひと踏ん張りです。

ゴンジリ峠へ向かう道は、なかなかの勾配です。
また、樹木の根が露出している道なので、足を取られないように慎重に進みます。

崩壊した木の階段。すっかりアスレチック状態です。。。
この階段を登りきるとゴンジリ峠です。

ゴンジリ峠に着きました。
ここは広いスペースにベンチも設置されているので、山頂へ向かう前に一息入れていきましょう。
さぁ山頂へ向けて最後の踏ん張りです。
樹林帯の中をどんどん進んでいきますよ!!

パッと目の前が急に開けました。
ということは・・・?

着きましたー!!棒ノ折山の山頂です。
山頂の標の脇には大きなサクラの木が立っていますが、お花はまだでした。

棒ノ折山の山頂
山頂に建てられている周辺の山々の図。
北から東にかけて開けているので、雄大な景色を楽しむ事ができます。

北側の展望です。
左から大持山、その隣に武甲山、その右には武川岳ですね。

上野写真の続きで北側の展望です。
中央に伊豆ヶ岳ですね。その奥は赤城の山々でしょうか。

北東の方向を望みます。
手前に金比羅山、子の権現あたりでしょうか。奥は日光の山々と思われます。

山頂は砂で覆われとても広いので、休憩場所には困らないと思いますが、サクラが咲く時期はとても混雑しそうです。
河又への下山道
山頂で昼食を食べて、すばらしい景色を堪能しました。
そろそろ下山の時間なので河又に向かって下りていきます。
岩茸石まで戻ってきました。

河又へと至る道は、何回か車道と出合います。
指導標もしっかりと建てられているので迷わず歩けると思います。

「登山道を下り、車道を渡り、小さく登り返す」というのを繰り返しながら歩いていきます。小さな登り返しですが足にきますね。。。

河又への道も、きれいに整備されていて歩きやすいですね。
案内板や指導標もしっかり建てられています。
サツキでしょうか。ツツジかな?
山の中にも春が届き始めていますね。

河又までの距離は表示されていませんが、この指導標が現れると河又(滝ノ平尾根口)はすぐそこです。
滝ノ平尾根の取り付きにある入間川にかかる赤い橋。
入間川沿いにサクラが咲き、この橋から望むととても良い景色です。
赤い橋近くに建てられた滝ノ平尾根を示す指導標。
「滝ノ平尾根→山頂→白谷沢」という今回とは逆回りルートも楽しそうです。

「お休処 やませみ」に戻ってきました。
名物の「名栗まんじゅう」を買って、下山後のお腹を満たしました。

「お休処 やませみ」の前には十月桜が咲いていました。
春と秋の2回、花が咲くみたいです。珍しいサクラですね。

棒ノ折山を歩いてみて
棒ノ折山のおすすめは「白谷沢」ですね。
沢沿いを歩き、滝を見て、ゴルジュ帯の急登を登り詰める。といった感じの充実した山歩きが楽しめます。
山頂の桜が咲くのは、麓の桜の2~3週間後の4月下旬と思います。
今回登った時はまだ蕾が固かったです。
山頂の桜の時期はとても混雑しそうなので、白谷沢は混雑しそうです。
山頂は北面から東面にかけて開けているので展望が効きます。
空気の澄んだ秋から初冬にかけては、遠くの山々や関東平野を見渡しながら山ごはんが楽しめそうです。