地理的、時間的に「北アルプス」と呼ばれる山域を歩くことは年に1~2度ほどしか機会が取れません。
また天候にも左右されてしまうので、その機会に恵まれそうな時には優先して歩きたい山域です。
憧れの山域ですね。
大陸から大きな移動性高気圧が列島を覆う予報が出ていた8月の週末。
せっかくの北アルプスを歩くのに「日帰り山行」はもったいないのですが、それでも最高の天気の下、最高の景色を味わうことができました。
柏原新道を登り詰めた先にある、素晴らしい展望を見せてくれた「爺ヶ岳」に行ってきました!!
日程
2018年8月18日(土)
GPSトラッキング
最高点の標高: 2685 m
最低点の標高: 1352 m
総所要時間: 07:37:35
行程(日帰り)
柏原新道登山口(05:00)・・・ケルン(06:20)・・・種池山荘(09:00)・・・爺ヶ岳中峰(10:07)・・・種池山荘(11:05)・・・ケルン(13:05)・・・柏原新道登山口(14:10)
山のぼり開始
今回の爺ヶ岳へのアクセスには「柏原新道」を使いました。
扇沢駅の駐車場から歩いて10分ほどです。
この扇沢出合にはトイレはありませんので、扇沢駅で済ます必要があります。
登山口には登山ポストがあります。用紙も備わっています。
どんなお山でも、入山する際は必ず登山届を提出しましょう。
さぁ、柏原新道を歩いていきますよ!!
まずは種池山荘を目指して登っていきます。標高差は1100mほどでしょうか。
種池山荘までの通常コースタイムは240分です。
扇沢出合から種池山荘までは登り一辺倒です。
道中、一切の下りはありません。ただひたすらに登り続けます。
柏原新道はとても良く整備された道ですね。歩きやすいです。
道のりは長いですが、大きな段差が無いのが良いですね。
振り返ると大町市の街並みが見えました。
ちょっぴり登ってきましたね。
手書きで注意が記された指導標が道中たくさんありました。
この先の道がどのようになっているのかがわかるので、とても安心して歩けます。
指導標どおり、左側が谷に面した道を進んでいきます。
樹林帯なので高度感はありません。
ところどころで視界の開ける場所があります。
正面には針ノ木岳、右にスバリ岳、赤沢岳、左は蓮華岳です。
眼下には扇沢駅ですね。だいぶ登ってきました。
種池山荘まで4.5kmで210分。
まだまだ道のりは長いですよ~
ケルンからは種池山荘を小さく捉える事ができます。
正面の稜線上に建つ小さな建物が種池山荘です。
西側には鳴沢岳と岩小屋沢岳が大きく見えます。
正面の稜線上には新越乗越山荘があります。
さて、どんどん進んでいきますよ!!
想像していた以上に歩きやすいので、自然とペースが上がります。
「駅見岬」と呼ばれるポイントです。
ここから見える駅と言えば、扇沢駅ですね。
早くも色づき始めている葉がありました。
徐々に秋に近づいているんですね。北アルプスは。
続いては「石畳」と呼ばれるポイントです。
その名の通り、石畳のような道が続きます。
「水平岬」です。
この辺りは勾配の無い真っ平な道が続きます。
「石ベンチ」です。
山側に石のベンチが並べられています。小休止にはうってつけのポイントですよ。
太陽がだいぶ上がってきました。
徐々に陽の光が届き始めますが、樹林帯の中なので暑さは感じません。
柏原新道は尾根の西側に作られているので、朝のうちは日陰の中を歩く事ができます。
早出すればするほど、長い時間日陰の中を歩けますよ。
「ガラ場」に到着です。
ここは柏原新道の中で一番注意しなければならない道です。
枯れた沢を越えていきます。
足元はガレていて谷側は切れているので慎重に。
上部からの落石にも注意が必要です。サルやカモシカが石を落とすことがありますからね。
ガレ場を過ぎると、遠くに富士山を望む事ができました!!
お盆の時期に後立山から富士山を望めるとは。移動性高気圧に感謝!!
富士山の右には南アルプスですね。
「鉄砲坂」です。
ここが柏原新道の一番の踏ん張りどころとなります。急登が続きますよ。
鉄砲坂を登り詰めると視界が開け、ここで種池山荘を正面に見る事ができますよ。
種池山荘直下から右側を望むと、爺ヶ岳の南峰を望む事ができます。
稜線上もすっきりと晴れていました!!
振り返ると、正面に富士山、左側に八ヶ岳、右側には南アルプス。
最高の景色です!!
種池山荘に到着!!
扇沢出合からここまで150分で歩く事ができました。
標高差は1100mもありますが、それを感じさせないくらい歩きやすい道です。
種池山荘前からは正面に針ノ木岳、スバリ岳を望めます。
いつかはあそこまで歩いてみたいですね。気持ちよさそうな稜線が続いています。
好天に恵まれた週末なので小屋前は賑わっていました。
今日入山した人や縦走中の人、山小屋はいろいろな人が行き交う場所ですね。
富士山はどんな山からでも見えると嬉しいものです。
八ヶ岳や南アルプスも好天に恵まれていますね。
この山域もたくさんの人で賑わっていそうです。
後立山から望む立山と剱岳は絶品です。
種池山荘前からもその姿を拝む事ができますよ!!
左に立山三山、中央のなだらかな山容は真砂岳、その右に剱岳です。
小屋前で十分に休んだので、これから爺ヶ岳へ向かいます。
まずは右側に見えるピーク(爺ヶ岳南峰)に向けて歩いていきますよ!!
爺ヶ岳に向かう稜線から望む景色は、最高の一言に尽きます。
振り返ると、立山や剱岳を大きく望むことができました。手前の建物は種池山荘です。
後立山を代表する名峰である鹿島槍も眼前に迫ってきます。
きれいな双耳峰ですね。
爺ヶ岳は3つの峰で構成されています。
右側から南峰、中峰、北峰と連なっていて、最高峰は中峰です。
種池山荘からだいぶ歩いてきました。
小屋がだんだん小さくなっていきますが、それとは反対に立山や剱岳はどんどん大きく見えてきます。
北アルプスと言えば、鋭鋒・槍ヶ岳ですね。
槍から大キレット、穂高までくっきりです。
種池山荘方面を振り返ると山荘がかなり小さく見えています。
だいぶ標高を上げてきました。
立山、剱岳は大きく見えています。
爺ヶ岳南峰に向かう稜線。南峰山頂に何人か立っているのがわかります。
さぁ、最後のひと踏ん張りですよ!!
種池山荘から40分ほどで爺ヶ岳南峰に到着しました!
山頂に建つ指導標の向こうには鹿島槍を望み、コルには冷池山荘が建っているのがわかります。
立山、剱岳方面です。
後立山から望む立山、剱岳はカッコイイです。
大町市を見下ろします。
下界も天気が良いみたいです。
遠くには八ヶ岳と富士山、南アルプス。
右のピークは蓮華岳。
その奥の正面に槍、左に穂高、さらに左には乗鞍岳ですね。
今日は遠くの山々までくっきり見渡せました。8月とは思えないほどカラッとした空気でしたからね。
爺ヶ岳南峰の山頂は30人くらい滞在できそうです。
360度の大展望を楽しみながらのランチタイムもいいんじゃないでしょうか。
南峰からの景色を堪能したあとは、最高峰の「爺ヶ岳中峰」を目指しますよ!
爺ヶ岳はお隣さんの鹿島槍の展望地としても良いですね。
綺麗な双耳峰を望めますよ。
南峰から少々下ると、分岐点を示す指導標が建っています。
爺ヶ岳南峰を通らずとも、種池山荘から冷池山荘や鹿島槍方面へ向かう事ができます。
中峰に向かう途中、降り返すと剱岳が目の前に!
長次郎谷にはたっぷりと雪が残っています。
コルまで下って、そこから中峰へ登り返します。
南峰から中峰へは20分ほどでしょうか。
分岐の指導標が建っていました。
中峰を通らずに冷池山荘へ行ける道があります。
今回の目的は爺ヶ岳中峰なので、山頂を目指して進んでいきます。
中峰山頂直下はやや急登ですが距離は短いです。
ここを登りきると・・・
爺ヶ岳中峰に到着です!!
標高は2669m。爺ヶ岳の3つの峰の中の最高峰となります。
ここからも鹿島槍がきれいに望めました。
中峰から爺ヶ岳南峰方面を望みます。
右に立山、剱岳、手前中央は爺ヶ岳南峰。その奥の左から蓮華岳、針ノ木岳、スバリ岳、薬師岳、赤沢岳。右下には小さく種池山荘。
すばらしい眺望です!!
大町市、安曇野市方面です。下界も晴天です。
この時間でも富士山を見る事ができました。もちろん八ヶ岳と南アルプスもバッチリです。
みんな大好きな槍と穂です。
左端には乗鞍岳もきれいに望めました。
東側の展望です。
右から浅間山、四阿山、本白根山、横手山あたりでしょうか。
北東側の展望です。
中央には高妻山、その左に妙高山、火打山、焼山、雨飾山と続いています。
北側にはどっしりと鹿島槍が。手前のピークは爺ヶ岳北峰です。
鹿島槍へ続く稜線に冷池山荘が見えますね。
中峰で30分ほど過ごしたのでそろそろ下山の時間です。
この景色ともお別れなので、最後に目に焼き付けておきます。
中峰から種池山荘を目指して歩いていきます。
中峰の直下はやや急な下降となるので、転ばないように慎重に下っていきます。
コルまで下ってきました。ここから南峰へ向かって少々登り返します。
南峰から望む立山と剱岳も見納めです。
ずーっと見ていても見飽きない景色ってあるんですね。
鹿島槍をこの角度で見るのも最後です。
今度は冷池山荘に泊まって鹿島槍を目指したいと思います。
また来るよー!
鹿島槍へと続く稜線。
きっと気持ちいいんでしょうね。この道を歩くというのは。
今度は絶対にこの道を歩きたいと思います。
さあ、爺ヶ岳南峰に別れを告げて、種池山荘へ向かいます。
正面に立山、剱岳を見ながらのトレイルですよ!! 贅沢な道ですね!!
立山や剱岳に見とれていたその時、ハイマツの中に何やら動く物体が!!
「北アルプス、ハイマツ、動物」から連想するものと言えば・・・
そうです!! ライチョウに会えたのです!!
ライチョウ観察を終えて、種池山荘へ向けて歩みを進めていきます。
振り返って、爺ヶ岳南峰の姿を最後に望みます。
絶景をありがとう!! また来るよー!!
ほどなくして種池山荘へ戻ってきました。
ここで小休止をして長い長い柏原新道の下山に備えます。
さあ、扇沢へ降りましょう!!
標高差1100mを下っていきますよ!!
種池山荘から160分ほどで柏原新道登山口に戻ってきました。
いや~、距離が長いのでシンドイですね。。。
この道を歩く際はダブルストックで歩いたほうが良いです。きっと。
北アルプスと呼ばれる山域の中でも、日帰りが可能で、かつ、絶景の楽しめる「爺ヶ岳」。
「どの山に行こうかな~」と迷っている人は、ぜひ登ってみてください。
柏原新道を登り詰めた先の稜線には最高の景色が待っていますよ!!