北アルプス遠征―
今年は富山県側の折立から薬師岳に挑戦しました。
久しぶりの山小屋泊での山行でしたが、北アルプスの中でも奥深い位置の景色を堪能したり、雷鳥にも出会えた最高の1泊2日でした!!
日程
2016年9月9日(金)~2016年9月10日(土)
行程(1日目)
折立(07:00)・・・三角点(08:48)・・・太郎平小屋(12:34)・・・薬師峠(13:18)・・・薬師岳山荘泊(15:18)
GPSトラッキング(1日目)
最高点の標高: 2711 m
最低点の標高: 1372 m
総所要時間: 06:18:51
山のぼり開始(1日目)
今回の薬師岳への道は、折立登山口から始まります。 明け方まで雨が降っていましたが、朝7時頃には上がっていました。
ここから太郎坂が始まります。 左側の標柱には「太郎山を経て薬師に至る」と書いてあり、テンションが上がりますね!! まずは三角点を目指して登っていきます。
この日の太郎坂は、前日までの雨でかなりぬかるんでいました。 三角点までは、樹林帯の中のやや急な登りが続きます。
折立から40分ほどで「アラレちゃん」の看板があります。 この場所は小広場になっているので、最初の休憩ポイントとして丁度良いです。
小休憩のあと三角点に向けて再び登ります。 濡れて滑りやすいガレた道が続きます。
三角点に到着! ここの標高は1870mです。 ベンチも多く設置されているのでザックを降ろして大休憩しましょう。
三角点を過ぎると、登山道は樹林帯を抜けて緩やかな道へと変わります。 木道も整備されていて歩きやすいです。
こんな感じで石が敷き詰められた道も。 しっかりと整備されているので安心して歩けます。 この日はガスガスで展望が無かったのが残念ですが、とても涼しい中を登る事ができたので、ある意味良かったです。
五光岩ベンチに到着しました。標高は約2200mです。 ここから太郎平まで2.0km、標高差は150mです。 もうひと踏ん張りですね!!
こんな感じでゆる~く登っていきます。 晴れていれば、左側に薬師岳が見えるんですが・・・
池塘がありました。 遠くの展望がまったくダメだったので、身近な景色を満喫しながら歩きました。
ガスの先にぼんやりと太郎平小屋が!! 太郎坂は、三角点までは急登ですが、そこからは緩やかで長い道のりでした。
太郎平小屋に到着です!! この日は小雨が降っていたので、小屋の中で昼食を食べました。
ヒサシ付きのテーブルも設けられているので、少々の悪天候の日でも外で濡れずに自炊することが可能です。 しかし、テーブルの数が少ないので使用できるかはタイミング次第ですね。
この場所は正しくは「太郎兵衛平」って言うんですね。標高は2330mです。 今回の山行では、ここから左手に進路を取って薬師岳へと向かいます。 いつの日か、右手に進路を取って雲ノ平を目指したいです。
薬師峠に向かって一旦下る道となります。 ここにきてガスが薄くなり、右側に薬師峠のテン場が見えてきました。
一気にガスが晴れました!! 待ち望んだ青空と白い雲。この瞬間は晴れ晴れとしたサイコ―の気分でした!!
薬師峠のテン場が近づいてきました。 早くもテントの設営をしているパーティが確認できます。行動が早いですね。
薬師峠のテン場に到着しました。 ここのテン場には、きれいなトイレと水量豊富な水場があります。
テン場はこんな感じです。 30張ほどの敷地でしょうか。場所によってはやや傾斜がキツイので、雨天時に設営する際は水の流れに注意が必要です。
薬師峠を過ぎると、ガレ場の急登を登り返します。 ここはなかなかの急登です。大きな岩をガシガシと登っていきます。
振り返ると太郎平小屋が小さく見えました。 湧き立つ雲と青い空、赤い屋根の小屋、牧歌的な雰囲気で良いですね。
薬師平に向けての踏ん張りどころです。 大きな岩がゴロゴロとした道を登っていきますが、見た目以上に歩きやすいです。
薬師平に着きました。 ここを過ぎると、次のポイントは薬師岳です。
勾配の無い平坦な場所です。そりゃ「薬師平」という名がついている場所ですからね。 いままでガレた急登を歩いてきたので、突然、平坦な場所が現れると不思議な感覚になります。
薬師平から標高を上げていくと、薬師岳が!! っと言いたいところですけど、見えているのは薬師岳の手前にある東南稜です。 左側のピークの奥に薬師岳があります。
槍ヶ岳方面を望みます。 雲の間から槍ヶ岳、三俣蓮華岳、祖父岳、鷲羽岳、水晶岳。 手前には雲ノ平も。
ガスに覆われたハイマツ帯。こうゆう状況で期待してしまうのはライチョウですね。 まわりを気にしながら歩いていると、ガスの中に見つけました!! 2羽のライチョウです。
ライチョウの姿に感激しながら歩みを進めると、薬師岳山荘に到着です!! ガスに覆われた山荘も、なんだか幻想的です。
小屋に着いてから、着替えや荷物の整理をして小屋内でお酒を飲みながら寛いでいると、 外はすっかりガスが晴れていました。
薬師岳山荘の入り口です。 西側を向いているので、午後は日がさんさんと降り注ぎます。 入口横にはテーブルとイスが設置されているので、ここに座りながらビールを飲んで景色を満喫しました。
山荘付近から望む薬師平。 いまにもガスに飲み込まれそうです。
黒部五郎岳、槍ヶ岳、裏銀座の山々はガスの中で望む事ができませんでした。
薬師岳山荘の横にある小ピークから。 手前に薬師岳山荘があり、正面のピークの左側奥に薬師岳があります。ガスの中ですね。 右側に延びる尾根は東南稜です。
小ピークを下って薬師岳山荘をパシャリ。 眺望抜群の稜線上に建っているので、どの方向を望んでも期待通りの景色が楽しめます。
夕食後、山荘前できれいな夕陽を見ました。 日の出も良いですが、一日の最後に見る夕日もまた格別です。
行程(2日目)
薬師岳山荘(04:00)・・・薬師岳(05:32)・・・薬師岳山荘(06:10)・・・薬師峠(08:34)・・・太郎平小屋(09:08)・・・三角点(11:42)・・・折立(13:04)
GPSトラッキング(2日目)
最高点の標高: 2935 m
最低点の標高: 2695 m
総所要時間: 02:10:18
最高点の標高: 2702 m
最低点の標高: 1367 m
総所要時間: 05:10:48
山のぼり開始(2日目)
翌日は、薬師岳山頂で御来光を見るため4時に山荘を出発しました。 山荘から山頂までは約60分です。 東の空が明るくなってくると同時に山頂に着きました。
こっちの標柱のほうが山頂っぽいですかね。 右側の有峰や富山市方面には雲海が広がっていました。 標柱の左のピークは北ノ俣岳。
山頂から南側を遠望します。 右から北ノ俣岳、奥には乗鞍岳、御嶽山でしょうか。 左に黒部五郎岳、抜戸岳。
槍・穂の遠望です。 右手前に黒部五郎岳、その奥に穂高と槍。 手前正面に雲ノ平が広がり、左に三俣蓮華岳、鷲羽岳。
東の空から太陽が顔を出しました。 いつ見ても山での御来光はサイコ―です。
朝日に照らされる槍・穂、三俣蓮華岳、鷲羽岳、ワリモ岳、水晶岳、赤牛岳。 烏帽子岳、南沢岳の後立山連峰の山々。
だいぶ日が上がってきました。 手前の山々のシルエットも良いですね。
朝日を浴びながら、多くの人が山頂からの御来光を見ていました。
薬師岳から北側を望みます。 手前に北薬師岳、中央には立山、剱岳。 右奥には後立山連峰。爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳あたりでしょうか。
薬師岳の山頂にもだいぶ日が届くようになってきました。 日を浴びると徐々に暖かくなってきます。日陰は寒いですけどね。
今日は下山日です。 御来光に道中の安全を祈りつつ、薬師岳山荘へ向かいます。
朝日に照らされる中央カール。とても広大なカールです。 右奥に御嶽山、乗鞍岳。手前に黒部五郎岳、その左の鋭鋒は笠ヶ岳。 左に裏銀座、槍・穂。 大展望です!!
中央に大きく薬師岳山荘が見え、その上側に小さく太郎平小屋も確認できます。 多くの人が薬師岳山荘へ向けて歩いています。
薬師岳山荘付近まで下りてきました。 この時間になると、小屋にも朝日が届きます。 残念ながら山荘からの御来光は巨大な東南稜に遮られて望めません。
その東南稜を越えて太陽が顔を出しました。 今日の山行も天気に恵まれそうです。
朝食を山荘で食べて、これから下山です。 山荘前から北アルプス最深部の景色を堪能しました。
すっかり昇りきった朝日に照らされる薬師平山荘。 一番左のピークが薬師岳の山頂です。
西側の雲海も晴れ、有峰湖もくっきりと見えます。 湖の手前には太郎坂の登山道も望めます。
1泊2日の山行も、残すは折立への下山です。 昨日はガスの中を歩いてきて展望が望めませんでしたが、今日は昨日見れなかった景色を堪能しながら歩けそうです。
何度も見てしまうこの景色。 何度見ても飽きない景色です。いつか歩いてみたいです。
まずは薬師平へ向けて下ります。 黒部五郎岳がどんどん迫ってくる感じですね。
薬師平に着きました。 風も無く、日差しが強いので暑さを感じます。
さぁ、どんどん下りますよ!! 次のポイントは薬師峠です。それを過ぎると、中央奥に見える太郎平小屋へ向かうことになります。
薬師峠へ向かう急登を降りているとき、小屋から煙が上りました。 今日も元気に営業中って感じですね。
薬師峠のテン場に着きました。 撤収最中の方が多かったですね。良い天気なのでテントもすぐに乾きそうです。
薬師峠から太郎平へ向けて登り返したところで振り返ると、薬師岳が・・・、見えない。。。 手前のピークが「ニセ薬師」と呼ばれる所以が分かります。
太郎平小屋が見えてきました。 この辺りは勾配も緩やかで、木道も整備されているので歩きやすいです。
あー、この景色ともお別れです。 名残惜しいですが、また来ます!!
太郎平に戻ってきました。 昨日はガスガスで展望が効きませんでしたが、今日はバッチリです。
青空の下の山小屋は絵になりますね。 雲の位置も高く、すっかり秋の空。
太郎平から望む薬師岳。 薬師岳の頂は正面のピークではありません。その左側が山頂です。
次に太郎平に来たときは、右のルートに行きたいと思います。 待っててね~!黒部五郎岳&雲ノ平!!
太郎平小屋でお水をいただくときは募金に協力しましょう。 こんな山深い中で水が飲めるんですから。
太郎平小屋の裏手に公衆トイレがあります。チップ制です。 きれいなトイレです。
太郎山です。 今回は登りませんでしたが、今度来たときは登ってみたいと思います。
太郎平小屋を後にして、太郎坂を折立に向けて下っていきます。 今日はどこを見ても展望の効く最高のトレイルです。
太郎坂を下りながら、右手を見ると薬師岳が良く見えます。 正面のピークが薬師岳の山頂っぽいですが、その左側が本当の山頂です。
遠ざかる太郎平小屋。 今度来るときは、太郎平小屋に泊まる山行プランも良いかもしれません。
こんな感じで、これから歩くルートが見渡せてとても気持ちよく歩けるルートです。 写真の左奥に向かって歩いていきますよ~
振り返るとこんな感じの景色が広がっていました。 最高のルートですね。太郎坂は。
だいぶ下ってきました。 この辺りで薬師岳ともお別れです。 山頂からの御来光&絶景、ありがとう!!
薬師岳が見えなくなると、今度見えてくるのは立山&剱岳エリアの山々です。 右に立山三山、手前に浄土山、国見岳。 中央に剱岳、左に奥大日岳、大日岳と続きます。
アラレちゃん登場!! ここまで来ると折立まで30分ほどです。
折立の登山口では、多くの人が下山後の一息を入れていたり、これから登る方が準備していたり、いつも賑わっている印象です。 下山時にも、たくさんの人とすれ違いました。
1泊2日の薬師岳。
山頂からの御来光も見れましたし、とても充実した山行となりました。
ライチョウにも会えましたし。
今度このエリアに来るときは、雲ノ平を目指したいと思います。