編笠山 ~八ヶ岳最南端からの大展望~

5月も下旬を迎え、春まっ盛りな時期となりました。

この時期は、暑くもなく、寒くもなく、ジメジメな空気でもなく、とても過ごしやすくて気持ちが良いですね。

雪解けが進み、お花も咲き始め、標高の高い山でも徐々に春を迎えています。

移動性高気圧に包まれ、山行にはベストな気象コンディションとなりそうな週末。
どこのお山を歩こうかなと探していると・・・

ありました!
山頂からの景色が抜群にすばらしいお山がっ!!

そのお山は編笠山です。

八ヶ岳の最南端に位置するお山からの景色は、想像以上のものでしたよ!!

編笠山ってどんなお山?

お山の基本情報

編笠山(あみがさやま)は、長野県富士見町にある標高2,524mのお山で、八ヶ岳連峰の最南端に位置しています。

編笠を伏せたなだらかな山容が山名の由来とされています。

代表的なコースは、観音平登山口から編笠山頂へ至るルートでしょうか。
このルートが最も歩かれていると思います。
富士見高原スキー場から山頂へ至るルートも、標高差1,200mの歩き応えのある道となっています。

登山口へのアクセスは? 駐車場は? トイレは?

観音平登山口、または、富士見高原スキー場登山口へはマイカーが便利です。
登山口にはトイレもあります。

この2つの登山口へ向かうバスはありませんので、JR小淵沢駅等からタクシーで向かう必要があります。

富士見高原スキー場登山口にある無料の駐車場です。
30台ほどの駐車ができる広さがあります。24時間入出庫可能です。

登山で駐車場を利用する際は「B-1駐車場」を使用する必要があります。
トイレは「A-1駐車場」にあり、B-1駐車場からは歩いて2分~3分ほどの場所にあります。

登山ルート上に小屋やトイレはある?

観音平登山口から山頂へ至るルートと、富士見高原スキー場登山口から山頂へ至るルートの、いずれのルート上にはトイレはありません。
それぞれの登山口で入山前に済ませておきましょう。

編笠山と権現岳の鞍部には青年小屋があり、食事や山小屋グッズ等の販売、チップ制のトイレがあります。水場は小屋から西岳方向に向かって5分ほどの場所にあります。もちろん、ミネラルウォーターやコーラ、ビール等の飲料水の販売もあります。

編笠山に行ってきました!!

山のぼりした日

2019年 5月25日(土)

コースタイム

富士見高原ゴルフコース(08:00)・・・編笠山(12:13)・・・青年小屋(13:03)・・・西岳(14:23)・・・不動清水(16:33)・・・富士見高原ゴルフコース(17:13)

GPSトラッキング

Total distance: 16.01 km
Max elevation: 2532 m
Min elevation: 1345 m
Total time: 09:14:02

山のぼり開始

富士見高原登山口から盃流し分岐

駐車場からゴルフ場へ向かって歩いていくと、編笠山・西岳への登山口を示す指導標があります。
今回の山のぼりでは、「登山口~編笠山~青年小屋~西岳~登山口」という周回ルートを歩いていきますよ。

登山口周辺では新緑がとても綺麗でした。
やわらかな緑色が青空に映えますね。

今日の天気はバッチリ!!
風も緩く、湿度の低く、暑くもなく、絶好の登山日和となりました。

駐車場から5分ほど歩いたでしょうか。「富士見高原登山口」に到着しました。
ここでもう一度装備を確認して、いざ!編笠山へ!!

登山ポストも設置されていますので、かならず登山届は提出しましょう。
私はいつもネットを利用して提出しています。大変便利になりました。

初めは勾配の緩い道が続きます。
この時期は新緑を眺めながら、ゆっくり歩いていきましょう。

通常、編笠山へ向かう際は指導標の奥に向かって歩いていきますが、この先の沢が崩壊しているため、左側に迂回路が設定されていました。
ここは素直に迂回ルートを進んでいきます。

迂回した先では、崩れた沢を修復する工事が行われていました。
重機を使って、大量の流木を取り除く作業でしょうか。

五叉路分岐に到着しました。
ここで、西岳方面と編笠山方面が分岐します。今回は編笠山方面へと進みます。

分岐点を過ぎ、盃流しに向かって登っていきます。
樹林帯の中の歩きやすい道が続きます。

現在の標高と山頂までのコースタイムを記した指導標。
富士見高原登山口から編笠山に向かうルート上には、このような指導標が標高約100mごとに建てられています。良い目標になりますね。

盃流し入口に到着しました。
指導標には編笠山まで約200分を記されています。まだまだ道のり長く序盤ですね。

標高2,000mを目指して

さぁ、どんどん標高を上げていきますよ!
編笠山へ向かう富士見高原ルートは、指導標も多く、赤テープも多いので道迷いのリスクは少ないと思います。

ちょっと傾いてしまった指導標。首を斜めに傾けると読みやすいです(笑)
山頂まで3時間(180分)と記されています。

標高1,590m付近に建てられている指導標。
さっきの指導標では山頂まで3時間(180分)と記されていましたが、ここでは3時間30分(210分)と記されていました。
まぁ、細かいことは抜きにして、あと180分ぐらいで山頂です。

標高を50m上げたところに建つ指導標。
山頂までのコースタイムが15分縮まっていました。

見上げると鮮やかな新緑が広がっていました。
太陽光に透かされた薄い緑と、影になった濃い緑のコントラストが見事です。

樹林帯の中の明るい登山道が続きます。
標高1,750m、山頂まで180分です。

臼久保岩小屋跡に到着です。
いつぐらいの時期まで使われていたのでしょうか。

岩小屋全体です。
ここを修験者やまたぎの人が使っていたんですね。

標高も1,800mほどとなりました。
等間隔にこの指導標が建てられているので、良い目標となり歩きやすいです。

この辺りになると、苔生した道となります。
八ヶ岳っぽい道ですね。ジブリ感があります。

標高1,900m地点です。
富士見高原が標高約1,300mで、編笠山が標高約2,500mなので、この付近が標高的には中間点となります。

この辺りから勾配が急になり、木の根も張り出して、やや歩き辛いと感じるかもしれません。
こんな時こそゆっくりと。息が切れないように歩いていきましょう。

標高2,000m!!
山頂までは約2時間ほどとなりました。ここで一息入れて山頂に向かっていきます。

急登の果ての絶景

急登が続く中、なんとも心強い指導標が建てられているではないですか!!
「ガンバレ」の一言に励まされます。

山頂まで2時間を切ってきました。
山頂との標高差は約400mとなり、だんだんと頂が近づいてきました!!

標高2,200m。山頂まで1時間ちょっとの地点まで登ってきました。
もう少しで樹林帯を抜けそうです。

特徴的な大きな木。周りの木々と比べてなんか雰囲気が違う感じがしました。

樹林帯の中からも青空が広く見えるようになってきました。
今日は文句なしの快晴!
山頂からの景色が楽しみです!!

標高が2,200mを過ぎた辺りから雪が出てきました。
量は多くなく、道を覆うほどのものではないので問題なく歩けますが、滑りやすいので注意が必要です。

標高2,300m地点です。山頂まであと200mほど登っていきます。

やや残雪が多くなってきましたが、歩行には問題ない量です。
しかし、安易に足を踏み出すとツルッと滑ってしまうので慎重に。

振り返ると、南アルプスが眼前に広がっていました。
大迫力の景色です。
右から鋸岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山と続く稜線が見事。
鋸岳の奥には仙丈ヶ岳、鳳凰三山の奥には盟主・北岳ですね。

南アルプスを眺めながら小休止をしたので、山頂に向けて歩みを進めていきます。
そろそろ樹林帯を抜けて、山頂へ至る岩登りが始まります。

樹林帯を抜けて標高2,400m地点まで登ってきました。
ここからは巨岩ゴロゴロの斜面を登っていきます。

東側に目を移すと富士山を望む事ができました。
気温が上がってきてモヤモヤしていますが、きれいな富士山です。
やっぱり富士山は登るよりも眺める方が良いですね。

南アルプスの山々もスッキリと望めます。
天気の良い日の山のぼりはサイコ―ですね!!

南アルプスから西側に転じると、左に中央アルプス、右には御嶽山が望めました。
ずーっと眺めていても飽きる事のない景色です。
こんなに景色が良いのであれば、しばしの休憩ですね。

南アルプス、中央アルプスとくれば、北アルプスも見たいですよね!!
バッチリ見えましたよ!!
左側は乗鞍岳、右側に北アルプスです。

山頂へ最後のひと踏ん張り

サイコ―の景色を眺めながらの小休止を終え、山頂へ向かいます。
こんな感じの巨岩ゴロゴロの斜面を一気に登っていきますよ!

岩にはペイントが付けられているので、これを辿ると登りやすいです。

左側に北アルプスの山々を望みながら山頂へ向けて登っていきます。
写真中央には諏訪湖も見えてきました。

北アルプスが望めるのであれば「あの山」を探したくなります。
そうです。槍ヶ岳です。
目を凝らしてみると、右側にチョンと尖った黒い山容が!!

編笠山のあとに向かう西岳が大きく見えてきました。
西岳の山頂も展望が良さそうなので楽しみです。

「もうそこだ!」
この指導標は山頂直下に建てられているので、ほんとうに「もうそこ」です。

山頂を捉える事ができました!!
あと10分ぐらいでしょうか。

編笠山の山頂に到着~!! 標高は2,524mです。
富士見高原登山口から約1,200m登ってきたことになります。
いや~、なかなか登り応えのある道でした!!

絶景の大パノラマ!!

山頂に着くと八ヶ岳の峰々が目の前に広がっていました。
手前右には、ギボシと権現岳が大きく望めます。
左側からは阿弥陀岳、中岳、赤岳と続き、その間に横岳がチラッと見えます。

こちらは西岳です。
このあと、右側に延びる稜線を歩いて山頂に向かいます。

一番左は蓼科山ですね。
八ヶ岳の北端までバッチリ見えました。

南八ヶ岳の主峰たちをアップで。
右から、赤岳、横岳、中岳、阿弥陀岳です。

こちらはギボシと権現岳。コルには権現小屋が見えますね。

この日は遠望も効きました。中央アルプスを大きく。
右のカールは千畳敷でしょうか。そこから、檜尾岳、熊沢岳、空木岳、南駒、越百岳と続いています。

こちらは御嶽山です。迫力のある大きな山容ですね。
いつかは歩いてみたいお山です。

こちらは乗鞍岳。この時期の3,000m峰には雪がたっぷりです。

南アルプスの峰々。
この山域には足を踏み入れたことがないので、いま一番「歩きたい欲求」が強いエリアかもしれません。

よっ、日本一!!
やっぱり富士山ですね。裾野を大きく広げ、堂々たる風格です。
カッコイイですよね。

山頂には三角点があります。編笠山は二等ですね。

編笠山の山頂はこんな感じです。かなり広いですね。
岩がゴロゴロとたくさんあるので、座る場所にも困りません。

残雪の中を青年小屋へ

山頂で景色を堪能しながら昼食をとったので、青年小屋へと向かって歩き出しましょう。ここから今回の山行の後半戦に突入です。

Oh...たっぷりの残雪ですね。。。
でも、たくさんの人が歩いているのでトレースを辿れば大丈夫です。
編笠山から青年小屋へ向かうルートは北面となるので、まだまだ雪が多いです。

シャクナゲの蕾です。
開花までは、もう少し時間が掛かりそうですね。

少し歩き辛いので、モンベルのチェーンスパイクを装着しました。
つま先を合わせて、かかと部をグイッと引っ張り上げる感じです。
この時期、残雪が心配なので、装備に加えると安心ですよ。

青い屋根の青年小屋が見えてきました。
小屋から権現岳へと延びる道も確認できますね。

樹林帯は残雪がたっぷりでした。
トレースを外すとズボッと膝ぐらいまで埋まりますよ。

樹林帯を抜けると、小屋までは岩ゴロゴロの斜面になります。
ここまで来ると、小屋まで雪はありません。

青年小屋に着きました!!
有名な「遠い飲み屋」の赤提灯が垂れ下がっています。

小屋前には「ラブランコ」がありました。
ちゃんとしたブランコなので座って、ゆらゆら揺れる事ができますよ。

小屋のメニューです。
軽食、飲み物、小屋グッズと、とても充実しています。
「遠い飲み屋」ということもあり、アルコールの充実度はピカイチでしょうか。

小屋の前面はこんな感じです。
良い感じの雰囲気ですね。権現岳まで足を延ばす際は泊まってみたいです。

西岳を目指して

さぁ、西岳に向かって歩いていきましょう。
青年小屋のテント場の先に西岳へと続く道があります。
右側は権現岳へと続く道です。

西岳へと続く道にもしっかりと残雪があったので、チェーンスパイクを再び装着して歩きました。

「乙女の水」と名付けられた水場です。青年小屋からは5分ほどでしょうか。
十分な水量の冷たい水が出ています。

青年小屋から西岳に続く道は、小さなアップダウンはありますが、ほぼ水平に移動できます。西岳までは60分ほどでしょうか。

途中、開けた場所からは編笠山がきれいに望めました。
こうやって遠望すると、樹林と岩ゴロゴロのお山というのがわかります。

何という名の鳥でしょうか。なかなか大きい鳥です。
周りをキョロキョロと警戒しながら、枯れ木の上で休んでいました。

南側の斜面には雪はないですね。
苔が多く生えた樹林の中の道を進んでいくと・・・

西岳の山頂に到着です!! 標高は2,398m。
編笠山と比べると約140mほど低いお山となります。

西岳の山頂からは、正面に編笠山の全容を捉える事ができます。
こうやって見ると、丸くなだらかなお山ですね。
左側は三ツ頭です。

ギボシや権現岳も近いですね。

青年小屋も見えました。
ほんとに「遠い飲み屋」ですね。今度は泊まりでお世話になります。

さて、富士見高原へと下山しましょうか。
最高の天気の下、南八ヶ岳を満喫できました!

富士見高原へ下山

今日一日、ずーっと見てきた南アルプスの峰々とも、ここでお別れです。
最後に目に焼きつけてから下山しましょう。

西岳直下は急な道で、足元がザレているのでゆっくり歩いていきましょう。

樹林帯に入ってからも、しばらくは急な道です。
大きな段差のある箇所もあるので、注意していきましょう。
ここは南側の斜面なので雪はありませんでした。

富士見高原と西岳を結ぶ道は、歩く人が少ないのでしょうか。
山頂から登山口まで、誰一人とも会いませんでした。
また、指導標も少ないですね。編笠山に向かう道と比べると圧倒的に少ないです。

久しぶりの指導票だーっ!!っと思ったら、何も書いてありませんでした。。。
厳しい気象環境下で、指導標の文字が消えてしまったのでしょうか。

あったー!! 指導標だー!!
何時間ぶりに出合っただろうか。なんかホッとしますよね。指導標って。

標高が下がってくると、道も緩やかになり歩きやすくなってきますね。
サクサクッと歩いていきます。

不動清水まで下りてきました。
ここには冷たい湧水があり、顔を洗うとスッキリします。
ちょっとした広場になっているので、小休止には丁度良いと思います。

不動清水から20分ほどで富士見高原登山口に下りてきました。
周回ルートは良いですね。歩き応えアリアリです。

無事に駐車場に戻ってきました。
天気にも恵まれ、今日も楽しい山行ができました。

編笠山を歩いてみて

富士見高原登山口から編笠山までは、標高差が約1,200mあるので、なかなか歩き応えのあるルートでした。
好天に恵まれた週末でしたが、歩いている人も少なく、のんびりゆっくりと山歩きが楽しめます。

編笠山~青年小屋~西岳の道には、この時期は残雪があります。
念のため、4本刃~6本刃の軽アイゼンかチェーンスパイクがあると安心かもしれません。

編笠山は展望に優れた山でした。
360度、どこを向いても素晴らしい景色を望むことができます。
一生懸命歩いたあとのご褒美ですね。